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デッドリフト注意!NHKにも注意!

筋トレが明らかにブームになり、その中でもパーソナルトレーニングと言う業態がとても増えました。
しかし、それに伴い、トレーニング中の事故が増えていると報告されています。

こんにちは!ボディメイクプラスワンのヨシダです。
上記のように、NHKの番組で、トレーニング中、特にパーソナル中の事故(ケガ)が増えていると注意喚起されていました。

これは某NHKの番組で消費者安全調査委員会から報告された件数とのことで、実際にはもっと多いのは明らかですね。

ただ、NHKさんの報道の仕方が少し気になりました。
まず、治療期間についての説明なのですが、このようなフリップが出ていました。

解説が、”ケガの治療期間で一番多かったのが1ヶ月以上(61件)でした”
と言っているのですが、治療に1ヶ月かからなかったケガを、”医者にかかっていない(それ程大きいケガだと認識していないと言う事だと思います)”、”1週間未満”、”1~2週間”、”3週間~1ヶ月”と妙に細かく分けています。しかも2週間~3週間の期間が書かれていません。
コレを言い換えれば、医者にかかっていない程度、もしくは1ヶ月までに治療が終わったケガは122件、で1ヶ月以上かかったケガはその半分の61件でした。とも言えるわけです。

で、事故の内容についても出ていたのですが、

神経・脊髄の損傷が21件となっています・・・
これは怖いですよね・・・
ていうか、脊髄損傷って、寝たきりとか半身不随のイメージなので事故=ほとんど命に関わる話だと思います。
で、日本整形外科学会のホームページで脊髄損傷を見ると、

症状 完全麻痺と不全麻痺があります。損傷された脊髄から遠位の運動・知覚の障害が出ます。
完全麻痺麻痺では下肢が全く動かず(頸椎では四肢が全く動かない)、感覚も無くなります。

このように書かれています。
ぶっちゃけ、このレベルの損傷って、交通事故、転倒、等、相当な外力(外からの力)がかかるか、元々運動が禁忌に近い状態の方では無いかなと思います。

また、続いて、専門家の先生は、

このように仰っているのですが、コレはむしろ、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(筋トレは関係ない)のレベルの話になっています。簡単に言うと脊髄(神経の根元)ではなく神経の圧迫です。

と、NHKさんの情報の出し方としては、数字の出し方やケガのイメージの伝え方が、明らかに現状より大げさに書いている気がします。(※ケガの総数自体は報告されていない部分もあると思いますので、ここで出ている数字よりも多いと思います)

で、事故の事例が出てくるのですが、

デッドリフトで骨折したという事例が出てきたのですが、確かにデッドリフトは、番組でも先生が仰っていたように、競技者でも腰を痛めることがあるぐらい、リスクのある種目です(それでも行うと言う事は、それ以上にベネフィット(恩恵)のある種目だからです)
が、デッドリフトで骨折した人というのは聞いたことがありません。

もし、骨折するようなやり方をしてる人がいたら、周りの誰かが必ず止めていたと思います(僕の周りの人が優しすぎるのかも知れませんが)。せいぜい腰の筋肉、もしくは椎間板を痛めた話だと思います(もちろん椎間板を痛めても激痛&治癒するのに相当日数かかりますし、手術の適用になった方もいらっしゃいます)。個人的には、腰を痛めた後に病院を受診したら、元々腰椎分離症(腰の椎体が若い頃に衝撃を受けて分離してる(一般的には疲労骨折))でそれで骨折してると診断された気がします。
もしくは、相当レベルの低いトレーナーが相当無茶なフォームのままお客さんにデッドリフトをさせてしまっていたのかと思います

ただ、気になったのは、番組の講師の先生が、

このように言ってました。そして、番組公式ホームページでも、

このようなポジションを推奨していました。

確かに上の写真の姿勢は明らかに腰に負担のかかる危険なポジションですが、
(パーソトレーニングをしている、トレーナーですらこの姿勢でデッドリフトをしているトレーナーが多々います!そういうトレーナーさんに限って、エラーを分かっていないので普通にインスタグラム等SNSに動画をアップしていたりします・・・気になる方はまずこのあたりをチェックしてみてください!)
下の姿勢に関して言うと、確かに腰は真っ直ぐですが、バーベル(=負荷)に対しての身体の位置が後ろ過ぎて、立ち上がるときに、太ももの前を使いすぎてしまいます。


線を引くと、バーベルを握っている所と、腕の付いている肩の位置の関係です。
明らかに後ろに向かっているので、やって見ると分かりますが太ももの前側(四頭筋)を使っています。
それがダメなの?ケガしなければ良いんじゃ無いの?って思う方もいると思いますが、
この番組の趣旨は、初心者(もしくはトレーニングをしたことの無い方)が対象で、
いかに重いバーベルを持ち上げるか?では無く、いかに健康的な身体を手に入れるか?
だと思います。
そういう意図でしたら、本来、デッドリフトは、重い物を上げることより、
ヒップヒンジ(股関節の使い方)を覚える事の優先順位が高いはずです。

日本人は、畳の文化なので、しゃがむときに、正座をしようと膝をまず前に出す動きをしてしまいます。対して外国人はイスの文化(床に座らない)なので、イスに座るためにお尻を引きながらしゃがみます。ゆえに、外国人に比べて日本人は膝の障害が多かったりします(エビデンスは探してません・・)

ですのでデッドリフトで膝がバーベルに当たってしまう人が凄く多いです。
膝から曲げたら膝が前に出てくるので当然です。しかもバーベルを前に下ろすのですから自然に腰が丸まってしまいます。。。

で、ウチではデッドリフトは股関節の使い方を覚える(=お尻を使う)エクササイズですと言っているのですが、この先生は、股関節では無く、

と言ってしまっています。別に間違っている訳ではないのですが、これでは、スクワットとデッドリフトの違いが分からなくなってしまいます。
(個人的には、解説されている先生より、質問しているアナウンサー?の方の方がむしろ綺麗なフォームに近い気がします・・・)

で、ボディメイクプラスワンでは、
デッドリフトは、”かがむ動作”、対してスクワットは”しゃがむ動作”と言っています。
股関節を使いながら体幹を正しく使うと支持基底面(両足のつま先とかかとで作る平面。ここに重心が無いと立っていられません)の真上か少し前方に重心が来ます

このようなポジションになります。上の格子の方や正しい姿勢と言ってる写真と比べていただくとわかると思いますが、股関節の屈曲が強く(=よりお尻や裏腿が働く)、膝の角度が浅くなっている(=膝の負担が少ない)と思います。

そして、そもそもなのですが、デッドリフトを床から引き上げる必要があるのか?と強く言っておきたいです。

股関節の動きの学習をするのですから、裏腿(ハムストリングス)が固かったらそもそも床からバーベルを持てない方はとても沢山いらっしゃいます。それを無理に床からバーベルを持とうとすれば、そりゃ腰か膝の負担が増えてしまいます。

このように、単に重い物を上げるのと、身体の使い方を学習して、痛みの出やすい関節の負担を減らす動作の学習は違ってきます。
まぁ、ボディメイクとしても、前腿が太くなるより、お尻や裏腿の筋肉が付く方がほとんどの方には理想的な身体のラインになると思いますが。


と言う事で、NHKですら、パーソナルは怖い!ケガのリスクを!と言いながら、実際には適切な情報を上げているようには見えません。まぁ流行なのでそれぐらい言わないと!って番組の方針なのかも知れませんが・・・(言い換えると、SNSの情報はもっとメチャクチャだったりします・・・)

以前にデッドリフトで腰を痛めた方もボディメイクプラスワンにお気軽にご相談ください。
(整骨院ではないので電話で延々ご相談等はご遠慮ください)
負荷も、可動域も制限しながら少しずつ変わっていきましょう!

では~(^_^)/

2 thoughts on “デッドリフト注意!NHKにも注意!

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